お金の話

株取引で勝ちたい初心者が最初に学ぶべき「ゲームのルール」

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こんにちは、井上向介です。アラフィフ、サラリーマン、4人家族。子供2人は社会人となり独立。現在、妻と二人で生活しています。

貯蓄から投資へ」という政府の号令の下、2024年からはNISAも改正され、株式投資に興味を持つ人も多くいると思います。

しかし、当然ながら初心者が簡単に勝てるような甘い世界ではありません。

この記事は、「株で勝つために、初心者が最初に学ぶべきゲームのルール」についてまとめた記事です。

この記事で分かること
  • 株式投資で勝つために知っておくべき基本ルール
  • 「銘柄探し」ばかりに目が行く理由
  • 損切りを学ぶための具体的な方法

結論:株の勝ち負けの判定は、勝率ではなく得失点差で決まります。そして、まずは「失点(損失)を小さくする(ゼロにするではない)」ことを学びましょう。

【学ぶべき優先順位】

  1. 小さく負ける術を知る(リスク管理
  2. 大きく勝つことを知る(上がる銘柄を探す)

多くの人は、この優先順位が逆(②を先に知ろうとする)になっています。この記事ではその原因についても考察します。

勝率(当てること)至上主義

株といえば銘柄選定の話ばかりが目立ちます。そして多くの人が日々、上がる銘柄探しに奔走しています。確かに上がる銘柄を探すことは株式投資をする上で重要なことなのですが、本当はその前に「やるべきこと」があります。

その「やるべきこと」をやらずに銘柄探しばかりをしているので、多くの人が株で勝てないのではないかと考えています。

「株で勝つ」の定義

株で勝つということを定義すると「利益>損失」ということになります。一見誰でもわかる当たり前ことです。

しかし、多くの人は「上がる銘柄を探すこと」に目が行っており、銘柄を当てることが、本当に「利益>損失」に直結するのかの部分については検証されていません。

「負け方」を知っておく必要がある

株式投資において負け(損失)をゼロにすることは不可能です。そのため「正しい負け方」を知っておく必要があります。勝ち方と負け方の両方を知って初めて利益が残ります。

ペナントレースを勝ち抜く方法

ここでいったん株式投資の話から離れて、野球のペナントレースに例えて考えてみましょう。架空の「野球ゲーム」をプレイすることを想像してください。

あなたはベースボールチームの監督となり、ペナントレース(全120試合)を戦い抜きチームをリーグ優勝に導くことがゲームの目的です。さて、監督として1シーズン(120試合)戦い抜いたあなたのチームの成績は、75勝45敗で勝率63%!

驚異的な数字で、あなたのチームの「勝率」は全球団中1位でした。おめでとうございます!しかし、残念ながらあなたのチームは優勝を逃してしまいました。それどころか、リーグ最下位という残念な結果に。

なぜなのか?

「勝率」ではなく「得失点差」で判定

実はこのゲームは通常の我々が知る現実のペナントレースと異なり、優勝条件は試合の「勝率」ではなく、全試合の「得失点差」で判定するというルールでした。あなたは説明書をしっかり読まず、このルールを見落としていました。

つまり、試合の勝ち数は”優勝”とは一切無関係だったのです。しかも、コールド勝ちやコールド負けのルールもありません。優勝したのは20勝、100敗(勝率17%)のチームでした。

優勝チームは得失点差で+200点。あなたのチームは得失点差で-120点。圧倒的差でリーグ最下位でした。

試合分析

どうして優勝を逃すどころか、圧倒的に最下位だったのか?シーズン後あなたは1年の試合を振り返ってみました。あなたのチームは、勝率はいいのですが勝つ時は「5対3や6対5」など僅差での勝利が多くありました。

逆に、負ける時は「大差で負ける試合」が多かったのです。「1対8や5対22」など大量失点をしています。この結果、勝率は高いのですが得失点差の影響が響きリーグ最下位となったのです。

あなたはもう一度、このゲームに挑戦しようと考えています。来シーズンに向けてどのような戦略をたてますか?

株も「勝率ではなく得失点差のゲーム」

上記の例を理解すれば、勝率を求めることがいかに無意味かがわかります。まず最初に学ぶべきは、①「大きく負けないこと」(リスク管理)になります。そして大きく負けない地盤を固めてから、②「(大きく)勝つこと」(利益を伸ばすこと)となります。

【初心者が学ぶべきこと】

  1. 大きく負けないこと⇒小さく負けること(リスク管理
  2. 大きく勝つこと(利益を伸ばすこと)

上がる銘柄を探すのは②の段階であり。初心者はその前に、①の課題をクリアしておく必要があります。

買うことばかりに誘導されている

株式投資を始めた初心者が「上がる銘柄探し」を最優先にしてしまうのには、理由があります。それは本や雑誌などの影響です。(最近ではネットも含む)

初心者は知識がないので、本や雑誌などで情報を集めて学びます。もちろん、これは間違っていません。しかし、多くの本や雑誌では銘柄選定の事ばかりが取り上げられています。

  • 厳選”これからグングン伸びる割安銘柄
  • 2倍、3倍を狙えるお宝銘柄の探し方
  • 1日5分。主婦でもできる、ほったらかしで儲かる銘柄選定方法

こういった、特集記事や書籍はイヤというほど見ていると思います。そのため、初心者が「株式投資=上がる銘柄を探すこと」と認識(誤認)しても、それは仕方のないことでしょう。

上がる銘柄を探すことは間違いではありません。見落としがちなポイントは「それだけをしていればいい」わけではない、ということです。

雑誌や本はどうして銘柄ばかり追いかけるのか

雑誌や本がどうして上がる銘柄ばかりを追いかけるのか。答えは単純に「その方が本や雑誌が売れるから」でしょう。

  1. 2倍、3倍、10倍を狙える「お宝」銘柄特集
  2. 銘柄選定を間違えた時の”スゴ腕”「損切りテクニック特集」

あなたなら、どちらの本を買いますか?

攻撃は最大の防御?

多くの人はこう考えるでしょう。損切りがダメでも2倍、3倍銘柄で勝ち続ければ、そこそこ負けてもトータルで利益は残るだろう」「攻撃は最大の防御なり」って言葉もあるし、まずは勝たなければ話にならないんじゃないのか。

わからなくもない考え方です。ですが実際にやってみると・・・

【現実は厳しい】

  • 雑誌などの推奨銘柄のすべてが2倍、3倍になるわけではない ⇒必ず負けが発生する
  • 2倍、3倍まで引っ張れない ⇒利益を失うのが怖くて、それまでに利食いしてしまう
  • 2倍、3倍になるのに数年かかる ⇒雑誌は必要期間は教えてくれない
  • すべての推奨銘柄を買う資金がない ⇒必然的に銘柄選別が必要となる。そして往々にして自分が選んだ銘柄は伸びず、買わなかった方が大きく伸びる

そうこうしている間に「負け(含み損を抱えた銘柄)」が増えてきます。これを一通り経験して「アレ、なにか想像してた世界と違うぞ・・・」ということに気づきます。

ある意味、ここまでは誰もが通る道です。ここで、軌道を修正できるかどうかが後々の大きな分岐点となります。

たった1敗のために320万円を失いそうになった

偉そうなことを書いていますが私自身、過去にたった1つの負けトレード320万円を失いそうになりました。結果的に私は九死に一生を得ましたが、当時から株式投資は「得失点差のゲーム」と知っていれば、やり方も変わっていたかもしれません。

いくらチマチマ勝っても、防御力(リスク管理)がザルなら「ワンパンであの世行き」なのが株の世界です。

いわゆる「コツコツドカン」というやつです。

⇒【株の塩漬けとは】保有株-320万体験談 損切りせずに放置するとどうなる?

損切りを学べば、イヤというほど銘柄探しはできる

心配しなくても負けを小さくすることを学んだあとは、儲ける銘柄を探すことはいくらでもできます。というよりむしろ、株式投資をやり続ける限り銘柄研究は必要となるでしょう。あなたが「嫌だ、もうやりたくない」と言ってもやめることはできません。

なのでまずは、生き残り市場に留まる術を身につけましょう。

私が考えるトレーダーのレベル

億を稼ぐ凄腕プレイヤーは別として、私が考えるトレーダーのレベルは次の4段階です。レベル0のままでは、いずれ退場は確実です。すみやかにレベル1を目指しましょう。

具体的にどう学べばいいのか

では、損失を小さくするためには「具体的に何をすればいいのか?」考えられる方法は次の2つです。

【リスク管理を学ぶ方法】

  1. 自分で実際に少額取引をして練習する
  2. 株式スクールなどで学ぶ
  3. 投資詐欺には注意!

①自分で少額取引をして練習する

今は100株から株を買うことができます。そのため多少損切りが遅れても、損失を小さく抑えることができます。実際に100株を自分で取引してみて「小さな損切り」の練習をします。儲けることは一切考えずに、勉強代・練習費用と考えて損切りの練習をします。

この時に雑誌の推奨銘柄を買ってみれば、銘柄探しの欲求も満たされ、実際に「お宝」銘柄だったのかどうかの検証も行えるので一石二鳥です。

損切りラインを設定してみる

損切りラインは自分で設定して決めます。わからなければ、下記のパターンはどうでしょうか。そして、自分が決めた損切りラインに達したら必ず実行します。

【損切りラインの設定事例】

  • 直近の安値(支持線)を下回った段階
  • 損失が10,000円に達した段階(100株なら買値から100円下がった状態)
  • 買値から10%下がった段階

ここで、損切りラインに達したから自分が下手くそと考えるのではなく、損切りできた自分は一歩勝ち組に近づいた、という思考が必要となります。

②スクールなどで学ぶ

どうしても独学で学ぶ時間がない、どう学べばいいか分からない。という人は株式スクールで学ぶ方法もあります。ただ、多くのスクールは(当然ながら)利益を上げることを主としていますが、まずは損切り(リスク管理)を学ぶようにしましょう。

銘柄選定を外注

スクールの利点はリスク管理を学ぶだけでなく、その他のいろいろな知識を学べる点でしょう。その点、やはり独学よりは効率は良くなります。

会社員をしながらの取引、いわゆる「兼業トレーダー」の場合、銘柄選定に多くの時間をかけられません。そこで銘柄選定(スクリーニング)をプロに外注していると考えればいいのではないでしょうか。

③投資詐欺には注意!

お金が動く世界には必ず詐欺も存在します。特に投資のような人間の「欲」につけ込んだ投資詐欺は、数多くあります。

そもそも日本人は金融リテラシーが低いといわれています。さらに、我々アラフィフは学校で投資についての教育を受けていません。そのため、相手の言っていることの良し悪しが判断できません。

投資詐欺については、こちらの記事で「参考動画」を交え詳しく解説しています。

⇒【投資詐欺4つの対策】 あなたの退職金や老後資金が狙われる