こんにちは、井上向介です。アラフィフ、サラリーマン。子供2人は社会人となり独立。現在、妻と二人で生活しています。
この記事は、「株式投資を始めるときに必要な資金の額」について悩んでいる人に向けた記事です。
【こんな悩みありませんか?】
- 株式投資を始めてみたいが、お金はいくら用意すればいいのか
- 資金が少ないとどうなるのか
結論、初心者で200万円程度です。10万円からでも株式投資は始められますが、おままごとレベルなのでオススメはしません。
- 株式運用資金を決める3つの要素
- 運用資金が少ないことのデメリット
- 運用資金の準備方法
単元株を買うのにいくら必要か知る
これから株式投資を始める初心者が気になるのは「運用資金はいくら準備すればいいのか」ということです。
結論からいうと10万円からでも始めることは可能です。
ただ、運用期間やどれぐらいの利益を必要としているのかによって、その額は変わってきます。
単元株について知る
株式投資には「単元株」というものがあります。売買の基本となる株の枚数で100株単位となります。
そのため、「欲しい銘柄の株価×100」の資金が必要となります。具体的にいうと、
【主要銘柄の単元株購入に必要な資金】
三菱UFJ銀行:650円×100株=6.5万円
トヨタ:2,000円×100株=20万円
ソフトバンク:6,500円×100株=65万円
ソニー:12,500円×100株=125万円
任天堂:50,000円×100株=500万円
※株価はおおよその概算値です。
単元株未満の取引も可能
現在は証券会社によって単元株未満(1株から)の取引が可能となっています。これだと5万円あれば任天堂を1株買うことができます。
単元株未満の取引が可能となったことで株式投資への資金的ハードルは下がりました。
資金額を決める3つの要素
株式投資に必要な資金を決めるのは次の3つの要素です。
【運用資金を決める3つの要素】
- 目標利益
- 運用期間
- 値動き幅
①目標利益
これから自分が行う株式運用でいくらの利益を目標とするのかによって、必要な資金は変わってきます。
例えば「目標利益が5万円」とした場合、
- 10万円の投資額で5万円の利益を狙う
- 300万円の投資額で5万円の利益を狙う
のであれば当然、後者の方が簡単です。
大きく稼ぐために運用資金を大きくするのか、運用資金に合わせて目標利益を下げるのか、自分で方針を決める必要があります。
②運用期間
保有期間も資金額に影響を与えます。
- 3年間の長期保有で値上がりを狙う
- 数か月の短期で値上がりを狙う
どちらを自分のスタイルとするかで必要資金は変わってきます。
長期保有の場合は「大きい値幅」を期待できるので少ない株数(少ない資金)でも大きな利益が狙えます。
短期保有の場合は「値幅が小さい」ので、どうしても株数を上げて値幅の小ささを補う必要があります。
そうなると買い付け枚数も多くなるので、必然的に多くの資金が必要となります。
【長期保有の場合】
- 大きな値幅を期待できる
- 株数(資金)は少なくていい
- 大きな値幅×小さな資金=大きな利益
【短期保有の場合】
- 小さな値幅しか期待できない
- 株数(資金)を大きくする必要がある
- 小さな値幅×大きな資金=大きな利益
③値動き幅
株式は銘柄により値動きの小さい銘柄と値動きの大きい(荒い)銘柄があります。
東証プライム(旧1部)の価格の低い大型株などは一日の値動きが数円などもザラです。
逆に新興市場の株やソフトバンクなどは比較的値動きは大きいです。
株価による値動き
基本的に価格の安い株(低位株)の値動きは小さく、価格の高い株(値嵩株)の値動きは荒いという特徴があります。
大きな利益を狙うのであれば、値嵩株を買うことになり多くの資金が必要となります。
もしくは大型株を5000株買うなどして値動きの小ささを補うことになります。
資金が少ないことのデメリット
資金が少ないことのメリットは、損失が小さく抑えられることです。
確かにそれはメリットかもしれませんが、株式投資においては資金が小さいことはデメリットの方が大きいです。
投資資金が小さいことによるデメリットは次の3つです。
【投資資金が小さいデメリット】
- 買い増しが出来ない
- 分散投資が出来ない
- 損失も小さいので適当になる
①買い増しが出来ない
長期投資が目的の場合は、株価が下がれば買い増しをして「平均取得単価」を下げることができます。
しかし、資金がカツカツであれば狙っている銘柄の株価が下がっても買い増しすることができません。
②分散投資が出来ない
「卵は1つのかごに盛るな」とは、よく聞くリスク分散の例えです。しかしリスク分散するためには複数の銘柄を保有する必要があります。
10万円で1銘柄保有できたとしても3銘柄に分散するには30万円必要となります。
③額が小さいと適当になる
例えばソフトバンク株を6000円で買ったとします。1ヶ月して5700円に値下がりしました。
【1か月後の損益】
- 100株保有 60万円の投資で3万円の損失
- 10株保有 6万円の投資で3000円の損失
- 1株保有 6000円の投資で300円の損失
1ヶ月で3万円の損失は痛いと思います。ですが、300円なら「どうでもいいや」となるでしょう。
100株保有していたら、おそらく毎日株価をチェックするでしょう。
気持ちもヤキモキします。そういう経験を身をもって知ることが大事なのです。
初心者の必要額は200万円
「結局いくら必要なのか?」と聞かれると、初心者なら200万円と答えます。
もちろん、余剰資金で最悪20万円ぐらいは失う覚悟ではじめる感覚です。
2~3銘柄で130万円分ぐらい保有して、5万円以内の損切りの練習を3,4回繰り返せば多くのものを学べます。
損切りの損失は勉強代と割り切りましょう。
【初心者の取引のポイント】
- まずは200万円からはじめる
- 20万円程度の損失はあらかじめ覚悟しておく
- 損切りは勉強代と割り切る
- 現物取引が前提で信用取引は行わない
投資資金(余剰資金)の貯め方
「初心者なら200万円必要」と簡単に書きましたが、実際に200万円用意するのは簡単ではありません。
とくに子供がいる人なら、教育費や住宅費を確保しつつ別途200万円となるとハードルはより上がります。
まずは優先順位の高いお金の確保から
株式投資を始める前に、まずは優先順位の高いお金を確保しましょう。
具体的には当面の生活費(生活防衛費といわれるもの)と子供の学費です。子供の学費は全額ではなく毎月の分割の貯金額です。
この記事を読まれている人が、まだ若い人であれば老後資金は後回しにできます。高齢の人であれば老後資金の優先をお勧めします。
【投資資金より優先したいお金】
- 当面の生活費(半年分)
- 毎月貯める子供の教育費
- 老後資金(50代以降であれば)
投資資金の財源3つ
投資にあてる資金の財源を考えます。主な候補は次の3つです。
【投資資金の財源候補】
- 個人的な貯金
- 親か家に借りる
- 損失分のみを自分で用意
①個人的な貯金(自己資金・独身時の貯金)
ここで確保できるのがベストです。配偶者に断って自分の独身時代の貯金からいくらかを使わせてもらうという感じです。
投資資金の全額を確保できなくても最低限「③の損失分」はここから用意する必要があります。
②親か家に借りる
私の場合は親と家と両方に借りていました。
ただし、このパターンで損切りが出来ないと親の老後資金と家の将来のお金を同時に失うことになり「非常に危険」です。
私が損切りできずに-320万円の損失を抱えた顛末は、こちらの記事で詳しく書いています↓
⇒【株の塩漬けとは】保有株-320万体験談 損切りせずに放置するとどうなる?
③損失分のみは自分で用意
これは最低限クリアすべき水準です。私の場合は、損失は自己資金にとどまらず家のお金マイナス100万まで行ってしまいました。
初心者は損切りできないので最低でも予測される損失分は、自分で用意するようにしましょう。
200万円で投資をはじめるなら50万円を自分で用意できればあとは、親か家から借りても問題ないでしょう。
始められるなら早く始める方がいい
株式投資は始められるなら早く始める方がいいです。なぜなら、練習に時間がかかるからです。
中・長期目的であれば売買は数か月に1回となります。練習回数を増やすためにも早く始めた方が有利です。
初心者の人に2つの「大事な」アドバイス
これから投資を始める初心者の方に「おそらく、この辺りを勘違いされているだろうな」というポイントを2つアドバイスします。
【初心者が勘違いするポイント】
- 満額買うな
- 常にポジションを持つな
①満額買うな
投資資金の満額分を買ってはいけません。これは資金が少なくてもです。理由は、大きな下げが来た時に買い増しできないからです。
長期投資の人は、買い増しで購入単価を下げる必要があるので、ポジション満額で買い増しできないのは手痛い「機会損失」です。
4割程度の資金は残しておく
通常状態であれば投資資金のうち株式を購入するのは6割ぐらいがいいでしょう。
200万の投資資金であれば、株式の購入は120万に抑えるということです。
この状態を常に保ち、異常事態(〇〇ショックなど)が起こった時に、残していた現金で買い増しを行います。
【満額買うことのデメリット】
- 買い増しが出来ない ⇒機会損失
- 一気に買ってしまうと損失を分散出来ない
②常にポジションを持つな
ポジションを持つとは何かしらの銘柄を保有していることです。いわゆる「ポジポジ病」というやつです。
「資産運用=株の保有」ではありません。買わないことを選択することも、株式投資の一部であることを理解しましょう。
チャンスが来るまで待つ
個人投資家の最大の武器は「(チャンスが来るまで)待つことができる」ということです。
機関投資家であれば、取引は業務のため地合いが悪いと分かっていても取引しなければなりません。
この個人投資家の最大の武器を活かすためにも、常にポジションを持つのはやめましょう。