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「罪と罰」箔を付けるために読んでみるのもいいかも

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箔を付けるにはもってこい?

 久しぶりにドストエフスキーの「罪と罰」を読んだ。以前に読んだのは10年ぐらい前だろうか。ほぼほぼ内容を忘れていたので、今回は忘れないよう、あらすじをまとめておく。

 外国文学の知名度としては抜群であり、読んだという”実績”を持っておくと、さりげなく周囲に自慢できるかも。新潮文庫なら上下2冊。現代語訳で読みやすいと評価の高い光文社古典新訳文庫なら3冊となる。私は新潮文庫しか読んだことがないので、次読むときは光文社の訳を読んでみたい。

罪と罰(ドストエフスキー、工藤精一郎訳、1987年6月、新潮文庫)

罪と罰(ドストエフスキー、亀山郁夫訳、2008年10月、光文社古典新訳文庫)

私的解釈のあらすじ

 デスノートを拾った夜神月よろしく、自分は何をやっても許される“超法規的な存在”と勘違いしてしまった大学中退無職の、はたから見れば痛いだけの主人公が、お金目当てで金貸しのごうつくババアを斧でブチ殺すお話。さらに、運悪く帰宅した無関係な妹まで殺すという鬼畜っぷり。今の日本なら、計画性もバッチリだし2人殺しているので、強盗致死罪で死刑は不可避だろう。
 そんな計画的な完全犯罪のはずが、いざ本番となるとテンパッてしまい、玄関の鍵は開けっ放しのまま、などガバガバな犯行となる。たまたまの来訪者に追いつめられたり逃亡は、「計画通り」にはならず、偶然の幸運で難を逃れる主人公。結局、大した額のお金も奪えず、完全に“やり損”な展開に。
 街で犯行が噂になると、「あの事件、俺がやったんだぜ」的な匂おわせを周囲にまき散らすが、「あいつ最近、疲れてたからなぁ~」と“かわいそうな人”扱いされて、誰も相手にしてくれず完全スルーされてしまう。
 古畑任三郎のような精神攻撃系の刑事のちょっとした揺さぶりで、挙動不審、アワアワとなってしまう。どうにかボロは出さずに済むが完全に犯人ロックオン状態。主人公は、無事刑事の追求をかわすことができるのか。
 メインの話はこんな感じだが、女友達のかわいそうな家族のお話や、美人妹の元雇用主のおっさんの話など、貧しくて救われない要素も含まれている。

読書力を必要とする

 内容は面白いがドストエフスキーは、「読書力」を必要とする。私も初めて読んだときは、言い回しが長ったらしく読むのがとても疲れた記憶がある。冒頭は主人公が街をブラついて母親からの手紙を読むのだが、それだけでヘトヘトになった。犯人が最初から読者に分かるところが、双璧をなすドストエフスキーの名作「カラマーゾフの兄弟」と異なるところ。