あなたは「自分と妻、どちらが先に死ぬのがいいのか」と考えたことはあるだろうか。私の答えは「私が先に死ぬのがいい」という考えである。妻の答えは「自分が先の方がいい」というものであった。妻がそう思う理由は看取る悲しみを味わいたくないというものである。
私の場合は、一時期は「妻がひとり残されると寂しい、ひとりで生活していくのがつらいのではないか」という考えがあり妻が先の方がいいのか、と思った時期もあった。しかし、知り合いで50代で旦那さんを亡くした人が1年後には吹っ切れている感じで、楽しそうに(見えるだけかもしれないが)生活している様子を見ると妻には長生きして欲しいという気持ちがある。こういう時、忘れるということは大事だ。
私の両祖父母は片方が亡くなってから残された方が亡くなるまで、10年以上の歳月があった。特に父方の祖父は、祖母が亡くなってからずっと独り暮らしであった。いつまでも悲しんでいるそぶりは見えなかったが、内心はどうだったのだろうか。