「読書」に関する本を立て続けに3冊読んだので、自分が興味のあった部分についてまとめてみる。
(1)インターネットで知識や教養は得られるのか
(2)電子書籍と紙媒体の本、読むならどちらがいいのか
読んだ本は以下の3冊
①スマホより読書(藤原正彦著、PHP文庫、2023年8月)
②10分あれば書店に行きなさい(斎藤孝著、メディアファクトリー新書、2012年10月)
③なぜ働いていると本が読めなくなるのか(三宅香帆、集英社新書、2024年4月)
(1)インターネットで知識や教養が得られるか?
【結論】得られない
・ネットで得られるのは「情報」のみで、知識や教養は得られない
・情報は単体では役に立たない。知識や教養まで高める必要がある
・情報を知識や教養まで高めるには読書しかない
〇情報単体ではダメ(①より)
読書の目的は「知識や教養を得ること」と定義されるが、インターネットではそれが出来ない。理由はネットで手に入るのは「情報のみ」だから。情報は知識や教養まで高めなければ単体では使い物にならないとされている。そして高めるための方法は読書しかないとなる。
〇ノイズが必要(③より)
情報とは「ノイズの除去された知識」と定義されている。ノイズとは(検索者からすれば)不必要な幅広い情報とされる。ネットの情報とは知りたいことだけを抜き出したピンポイントの情報となる。それの何が悪いのか?と思う人もいるだろうがノイズの無い情報だけでは、情報の幅が狭いため知識としての広がりが無いことを意味する。
【まとめ】
情報だけでは単発で終わるということ。知識や教養にするためには、もっと幅広い内容を複雑に醸造させる必要がある。
私もYOUTUBEで海外の貧困動画などを見て実情を理解した気になるが、なぜそうなったのか?その国の歴史は?周辺の国家との関係は?現在行われている対策は?等色々なことを知り多角的に自分の中で昇華させる必要がる。
(2)電子書籍と紙媒体の本、読むならどちらがいいのか?
【結論】紙媒体の本
・電子書籍は記憶に残らない、理由は目に付かないから
・記憶の定着率は紙媒体の本の方が上
・本棚に置いておき表紙や装幀とともに記憶に残ることが重要
〇視界に入るか否かが重要(①より)
電子書籍は端末を立ち上げて意図的にデータを見に行かないと書籍までたどり着かない。一方、紙の本は本棚に置いてあるので日常的に目に入って来る。これが非常に重要。「見えなくなったものは忘れられる」
脳科学者の実験では、記憶の定着率は紙媒体の本の方がはるかに上であった。
〇紙媒体はイメージに残る(②より)
本のイメージがデザインとして記憶に残る。装幀から本の中身を思い出すことが出来る。
【まとめ】
やはり「実物を見る」という行為は重要ということか。例えば「千と千尋の神隠し」のDVDのジャケットを思い出せる人は多いはずだ。あの豚と一緒にこちらを見ている絵である。あれも繰り返し実物を見ているからこそ覚えているのだろう。例えそれがレンタル店であったとしても。データとして保存していた場合このようなことは出来ないし忘れ去られる。
(3)その他
その他、自分なりに記憶に気になった箇所を書いてみる。
〇AIへの危惧(①より)
AIが進歩すれば瞬時に1万句の俳句を作れるようになるだろう。しかし、その中から”優れたもの”を10句選ぶことはAIには出来ない。「選択」こそ最も重要な行為。適正に選択できないのであれば情報がいくらあっても無価値。選択するためには知識や教養が必要。
〇ベストセラーやロングセラー(②より)
ベストセラーを読むことは他者との話題作りになる。ロングセラーには、それなりの理由があるので読んでみるべき。
〇本への書き込みは重要(②より)
「本は何かを書き込んでこそ自分のものになる、書き込めば脳への定着率も高まる」
これは今までの私にはできなかったこと。理由は中古として売れなくなるから。②では古本屋に売った場合、新品でも定価の1割程度でしか売れないから遠慮なく書きこめとあるが、メルカリならもっと高く売れる。だが思い切ってやってみることにした。といっても中古本か新書までハードカバーはさすがに無理・・・