この本を読もうと思った理由
私がこの本を読もうと思った理由は、南海トラフ地震に備えるためである。備えあれば患いなしである。実際にトイレや水、その他の準備でどれぐらいの品物が、どれぐらいの量必要なのか具体的に知りたくて本書を選んだ。
おうち避難のための防災図鑑(草野かおる、2021年8月、飛鳥新社)
この本の役立て方
この本で学ぶことは2つある。ひとつは、事前準備に関してである。防災用具(電池や飲料等)について、何をどれぐらい準備しておけばいいのか。もうひとつは、実際に災害が起こった後に行う工夫である。例えば、水やケガ人の運び方であったり、家にあるもので即席の代替品を作成する方法などである。
漫画なので視覚的に分かりやすい
事前準備で必要なモノがある程度整っていれば、災害後に本書を参考にしても十分に間に合うだろう。本書は基本的に自宅での避難及び災害後の待機を想定して書かれているため、家に1冊置いておけばとても役に立つ。また、漫画(絵)で描かれているため、視覚的にも分かりやすく瞬間的に理解できるのも、緊急時にはありがたい。
事前準備まとめ
本書を読んで災害への備えとして事前に準備すべき内容を以下にまとめてみる。基本的には、自宅で「1週間待機」することを想定している。
停電への備え
飲料水や食べ物は事前にある程度備蓄はできるが、電気に関しては備蓄の難易度は上がる。車中泊YOUTUBEに出てくるような、大型バッテリーは基本高価で各家庭でそろえるのは現実的ではない。
停電で使えなくなるもの
停電になると使えなくなるものは多い。照明、エアコン、インターネット(Wi-Fi)、冷蔵庫、炊飯器。電子レンジ、洗濯機、ドライヤー、場合によりトイレの水洗、それにスマホも充電できなくなる。特に調理器具へのダメージが大きく、ガスも使えないとなると一気に食事に困ることになる。
光源の準備 必ず「電池式」に
停電時の光源対策として、まっ先に思いつくのはロウソクであるが昭和的発想だ。ロウソクは思った以上に暗いとの記載がある。余震が続く場合、ロウソクだと倒れて火災の恐れもある。やはり懐中電灯が必要となるだろう。
光を拡散するには、ペットボトルを下から懐中電灯で照らす方法や、懐中電灯をゴミ袋で包む方法が紹介されていた。ロウソクではこのような方法は無理である。
懐中電灯は、家族1人に1つの割り当てで準備しておくのが望ましい。また、両手が自由になるヘッドライトもあれば便利である。実際にヘッドライトを買って試してみたが、両手が使えるのは非常に便利だ。角度調整機能が付いており、足元を照らすのにイチイチ頭を下に向けなくともよい。視点は前を見ながら前方下方を照らすことができる。
個人的には手持ち式の懐中電灯とは別に、置き型のランタン式の電灯も必要だと思う。そして、絶対に「電池式」にする必要がある。キャンプなどの日常的用途を想定し充電式も売られているが、災害時の停電対策用なので充電など出来るはずがない。
電池の準備
光源本体とは別に電池を用意する必要がある。電池は100均でも大量に売られているが、液漏れなど長期間の保存に耐えられるかが心配である。ヨドバシでは5年保証、10年保証の電池が売られている。多少割高でも必要経費として割り切ろう。
【停電への備え】
・懐中電灯、ヘッドライト、ランタン式電灯、各種電池
・ろうそく、ライター
・スマホの充電器
トイレへの備え
風呂は我慢できたとしても人間、食事とトイレは我慢できない。よって、トイレに関しての備えは食事と同じぐらい重要になる。1日のトイレの回数を5回と仮定した場合、4人家族であれば5回×4人×7日(1週間)=140回のトイレ需要が発生する。また、建物は無事でも下水道がダメージを受けるとトイレの使用制限がかかる可能性がある。
トイレ対策として真っ先に思いつくのが、災害用トイレである。Amazonなどでも販売されているが、どこかで地震でもあるとすぐに売り切れになるので、平時に購入しておくことが重要となる。100回分で値段は6,000円程度。1回当たり60円となる。4人家族なら200回分購入すれば、余裕を持って対応できるだろう。
携帯用トイレの代替品として、ペットシーツがコスパ的にもオススメされていた。その他、大人用オムツなども使えるようだ。
衛生用品の備え
普段は当たり前すぎて気にもかけないが、無いと不便なモノとして、ティッシュペーパー、トイレットペーパー等がある。もう忘れかけているが確かコロナで騒ぎ出した頃に、トイレットペーパーが店頭から無くなって不便したことがある。コロナとトイレットペーパーは何の関係もないが、一説にはSNSのデマで買いだめに走ったらしい。
当然、災害となれば一瞬で店頭から在庫は無くなるだろう。こちらも平時に備蓄しておく必要がある。食料と異なり腐ることが無いので、期限を気にする必要が無い。そしてこういったも物は、消費しながらの備蓄(ローリングストック)も容易である。我が家では3人の生活だが、トイレットペーパーは4袋ストックしている。
本書では、その他役立つものとして100mのサランラップを3本ストックすることが推奨されている。サランラップは、臭いを遮断するので避難時のゴミの防臭や、食べ物を手で直接触らないようにするため等、用途が多岐に渡る。また、ねじってより合わせれば紐としても使える。
断水への備え
電気、ガスよりも一番困るのが断水だろう。人間、食べ物が無くても頑張れるが、水分が無いのは命にかかわる。ネットで調べると、人間は水と睡眠があれば2~3週間は生きられるが、「水無しでは5日も持たない」とのこと。それだけ水は重要である。
人は成人で1日3リットルの水を必要とする。ここには一応、調理分も含まれているが食器洗いや手洗いなどに使われる水の量は含まれていない。3人家族の我が家では、3人×3リットル×7日(1週間)=63リットル=2リットルペットボトル32本が必要となる。
我が家は、2リットル9本入りの水を9箱=162リットル分(ペットボトル81本)備蓄しているので、ある程度の余裕はあることになる。その他、汚れ落としには「重曹」が推奨されている。100均にも売っているので、あらかじめ用意しておこう。
非常食への備え
水があれば2~3週間生きられるとしても、それは極限状態の場合である。やはり日々の食事は重要である。こちらもあらかじめ保存食を備蓄しておくことが重要となる。真っ先に思いつくのが、アルファ米等の災害用保存食である。Amazonなどで購入できるが、災害が発生してからでは当然遅い。
1週間の自宅避難を想定した場合、3人家族であれば、3人×3食×7日(1週間)=63食分の食料が必要となる。なかなか気が遠くなる数字だ。しかも、冷蔵庫無しの状態(常温)で保存する必要があることを忘れてはいけない。
カセットコンロのボンベは60分
電気もガスも止まれば、ろくに調理も出来ない。そこで活躍するのがカセットコンロであるが、ガスボンベは使い方によっては60分しか持たないと書かれている。家族分のカップラーメンのお湯を沸かすための時間、お米を炊くための時間等を平時に確認しておく必要がありそうだ。
非常食として何を買うべきか
アルファ米等とは別に、もっと身近な食材で非常食となり得るものは何だろうか。本書で紹介されているのは、レトルトカレー、パスタやうどん等の乾麵類、缶詰類である。これらは賞味期限が長く、なおかつ消費しながら新しいものを購入すれば常に備蓄することができる。その他、おにぎりの具材として使える、ふりかけや乾燥ワカメも地味に役立つ。
まとめ
「災害が起こってからネットで調べればいいじゃん」という人もいるかもしれないが、そのネット自体が使えない可能性も大いにあるし、店頭在庫など一瞬で無くなる。当たり前の日常ではなくなることを想定して準備しておこう。まとめとして、災害に備えた備蓄品のリストを作成してみる。
停電への備え
・懐中電灯、各種電池(長期保存用が望ましい)、ヘッドライト
・ろうそく、ライター
・スマホの充電器
できれば、家族の人数分用意するのが良い。
トイレ・衛星品の備え
・トイレは1日5回を想定し、家族分×5回×7日分の準備を
・携帯用トイレ
・ペットシーツ
・大人用オムツ
・トイレットペーパー、ティッシュペーパーの備蓄
・100m巻のサランラップ3本
断水・非常食への備え
・1人1日3リットルの水×家族分×7日分
・カセットコンロとガスボンベ
・アルファ米等の災害用非常食
・レトルトカレー、乾麺(パスタやうどん)、缶詰類
・ふりかけ、乾燥ワカメ
・お茶のパック類