こんにちは、井上向介です。アラフィフ、サラリーマン、4人家族。子供2人は社会人となり独立。現在、妻と二人で生活しています。
この記事は、「子供には現役で大学受験に合格して欲しい」と考えている人向けた記事です。
【こんな悩みありませんか?】
- 子供には是が非でも、現役で大学に進学して欲しいがいい方法はないか
- 親として協力できることはなにか?
結論、推薦入試などを駆使すれば現役合格の可能性は高まります。反面、費用はかかります。我が家では、上記の方法で子供2人は無事、現役で大学に進学しました。その、具体的な方法を解説します。
- 現役合格を目指す方法・考え方
- 受験料は子供2人で73万円、我が家の大学受験の【体験談】
現役合格のための「条件」はありますか?
多くの受験生や親が「現役合格できればいい」と願っています。といっても実は、ただ単に合格するのではなく「条件付き」という場合が多いです。
「条件」が現役合格の壁となる
条件付きの現役合格とは、例えば次のようなものです。
大学にこだわりがあるのか
進学する大学にこだわりがるのか?と聞かれた時に、
【大学にこだわりがあるか?】
- 国立大学か公立大学を希望。私立は考えていない。
- 私立大学でもいいが、MARCHや関関同立などの有名私立を希望
- 学部は〇〇学部以外考えていない
- 現役合格できるならどこでもいい
入試にお金がかかってもいいのか
入試にお金がかかってもいいのか?と聞かれた時に、
【お金がかかってもいいか?】
- 国公立大学しか受験しない
- 私立は3校ぐらいしか受験できない
- 現役合格のためなら、10校ぐらいは受験できる
現役合格を「最優先事項」にできるか
このように、ひとくちに「現役合格」といっても、合格のための条件に大きな違いがあります。このうち、
【現役合格できるなら】
- 私立大学でもOK
- 大学も不問
- 学部、学科不問
- 受験回数も不問(費用は許容できる)
という考え方が、当然ながらもっとも現役合格に近い立場の人でしょう。現役合格を最優先事項とし、他の項目(大学や学部など)を譲歩できるのかを最初に考える必要があります。
親の理解が必要
現役合格を目指すには、子供と親、両方の理解が必要となります。もし、自分の子供が上記の様に「俺は(私は)現役合格できれば、どこの大学でもいい」といった場合、理解を示せるでしょうか。ご紹介する方は、親と子供の両方が了解していなければ、成立しません。
私が現役合格を最優先にした理由
私が子供に現役合格を強く勧めた理由は、私自身がつらい浪人経験をしたからです。あのようなつらい経験は子供にはさせたくないと考えていました。そのための協力は惜しみませんでした。
現役合格のための準備
現役合格を目指すのであれば、早い段階(推薦入試)から親も全面的に協力する必要があります。手法としては単純明快です。とにかく受験させまくる。「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」理論です。現役合格の方法って「それだけ?」と思われますが意外と準備することはあります。
【親が準備すること】
- 大学受験に関する知識
- 子供任せにしない姿勢
- 受験料の準備
合格率を上げる2つの要素
大学受験の合格率を上げるためには、2つの要素が必要となります。そしてその両方が満たされて合格を勝ち取れます。その2つの要素とは、①学力、②受験回数です。
学力を上げるのがいいのだが
合格の可能性を上げるための最短距離は①学力を上げることですが、学力は一朝一夕には上がりません。受験生の多くは、「勉強しろ、勉強しろというけれど、そんなに簡単に学力が簡単に上がれば苦労しないわ」という気持ちでしょう。
受験は「確率論」
学力の向上がこれ以上難しいのであれば、②受験回数を増やすことで、合格の可能性を上げることになります。受験は「確率論」です。多く受けるとそれだけ有利になります。
子供の希望に沿える基本方針
さきほど、「大学不問、学部不問」がもっとも合格率が高いと書きましたが、やはり子供にもある程度の希望大学があると思います。そのため、①子供の希望をかなえつつ、②現役合格を獲得することを基本方針とします。我が家での受験方針は以下の考えで進めました。
【我が家の受験方針】
- 指定校推薦は狙わない(子供の希望する大学がなかった)
- その代わり、公募推薦で希望する最低ランクを確実に1つ合格させる
- 一般入試では、第一希望、第二希望を中心に狙う
親主導の受験対策
場合によっては、親が率先して受験対策を行った方がいい場合もあります。子供が「推薦はやめとく。一般ですべり止めを受けるから。」という姿勢では、おそらく一般入試も危ないかもしれません。また、親側が子供の入試に興味がなく「あの子が適当に考えるでしょ」という場合も、「結局どこにも受からなかった。」という結果になりかねません。
【親側に必要なモノ】
- 大学受験への興味(子供任せとしない)
- 大学受験の知識(推薦の時期や受験料について)
- 積極的に関わる姿勢
現役合格を目指す戦略
ここからは、具体的な受験についての対策を記載します。
私立大学の場合、チャンスは大きく3回
私立大学の場合、入試のチャンスは次の3回あります。
【私立大学の入試チャンス】
- 指定校推薦
- 公募推薦
- 一般入試
①指定校推薦
指定校推薦の権利を獲得すれば合格はほぼ確定したようなものです。現役合格への最短距離は「指定校推薦」を狙うことです。しかし、ご存じの通り指定校推薦は狭き門であります。合格確定なのでみんなが競って権利を取りにきます。また、専願となるので必ずその大学に進学する必要があります。本当に行きたい学校の指定校なのか、子供と十分な相談が必要となります。
②公募推薦入試
多くの大学が公募推薦の入学制度を導入しています。時期的には秋(11月頃)に実施されます。公募推薦は非常に重要です。ここで1つでも合格を獲れるかどうかで、年明けの一般入試の方針まで大きく影響します。ここで合格できれば、秋の時点で「現役進学」が確定します。精神的にもかなり楽になるので合格を確実に1つ狙いに行きます。
公募推薦で合格するメリット
ここで合格を獲得できれば、次のような大きなメリットが得られます。
【公募推薦合格のメリット】
- 年内に「現役進学」が確定する
- 本人も家族も心穏やかな年末・年始を過ごせる
- 一般入試ですべり止めを受験する必要がない
- 一般入試で第一志望中心の受験スケジュールを組める
③一般入試
今の私立大学は受験手法が豊富です。特に文系の場合は有利です。学部にこだわりがない場合は類似学部、(文学部、商学部、経済学部など)を受験すれば1校でかなりの受験が可能となります。さらに、大学入学共通テストを利用すればチャンスを増やすことができます。
このように私立大学は入試のチャンスが増えているので、国公立大学に比べて合格の確率が上がります。
【私立大学の一般入試のメリット】
- 受験手法が豊富で、同一大学でも複数回の受験が可能
- 文系の場合、類似学部を受験することも可能
- 大学入学交通テストを利用すれば、さらにチャンスを増やすことが可能
この方法のデメリット
この手法のデメリットは、「費用が掛かること」です。私立大学の受験費用は1回35,000円かかります。親の経済的負担との相談も必要となります。
我が家の現役合格【体験談】
長男、長女は現役で大学に進学することができました。その経緯、受験方針をご紹介します。
長男の場合(8受験/6合格)
【現役で関関同立・理系】
長男は国立大学志望だったので元々の学力はありました。
秋の公募推薦は見送り
高校は私立の進学校と呼ばれる学校に通っていたので、私立大学の公募推薦は受けませんでした。長男の実力なら一般入試でもどこかの私立大学は合格するだろうと考えていました。
一般入試
私立大学の一般入試は関関同立を6回、すべり止めで近畿大学2回。合計8回受験して6合格という結果です。センター入試の結果が悪く国立を諦めて私立大学に進学しました。1浪してまで国立という気持ちは本人の中にはありませんでした。
【長男の場合】受験総数8回/6合格
- もともとは国公立志望
- 公募推薦は受験せず
- 一般入試は関関同立6回、近畿大学2回の合計8回受験
- 結果は関関同立4、近畿大学2の6合格
- 現役で関関同立に進学
長女の場合(13受験/5合格)
【現役で関関同立・文系】
長女は長男と違い、もともと勉強は好きではなく「行けるのならどこでも」タイプです。数学が全然ダメなので、国公立は考えておらず私立1本です。まずは公募推薦で合格することを目指しました。
秋の公募推薦
長女は、秋の時点で確実に1合格を獲得する方針で学校を選択しました。第2希望の近畿大学を2回、すべり止めで武庫川女子大学を2回の合計4回受験して、武庫川女子大学で2合格しました。この時点で長女の「現役進学が確定」しました。本人もとても安心しており、年末年始も穏やかにすごせました。
この「とりあえず浪人なし」の効果は精神的にも物理的にも効果が大きく、長女は一般入試で第一志望を重点的に受ける受験スケジュールを組むことが出来ました。
一般入試は第一希望中心
一般入試は第一志望の関関同立を5回、近畿大学を4回。合計9回受験して、関関同立1、近畿大学2の3合格でした。実力的に合格は相当厳しいと思われていた第一志望に合格できたので、「数撃ちゃ当たる」が現実となりました。(近畿大学は追加の受験料だけ払って別学部を合否判定してもらう試験が2回含まれているので、実際に試験会場まで足を運んだ受験回数は7回となります)
公募推薦に合格していなければ、一般入試で第一志望の受験回数を減らしてすべり止めの受験に回す必要がありました。そうなれば、第一志望への合格はできなかったかもしれません。
【長女の場合】受験総数13回/5合格(推薦入試含む)
- もともと私立大学を志望(国立適性なし)
- 公募推薦で近畿大学2回、武庫川女子大学2回の4回受験
- 結果は武庫川女子大学2合格(⇒現役確定)
- 一般入試で関関同立5回、近畿大学2回の合計7回受験
- 近畿大学は受験料だけ払って合否判定のチャンスを2回追加
- 結果は関関同立1、近畿大学2の3合格
- 現役で関関同立に進学
受験料の合計は73万5千円
長男、長女にかかった私立大学の受験料の合計は73万5千円でした。(35,000円×21回)この額を高いととらえるのか、現役合格のためなら安いととらえるのかは人それぞれです。また、浪人となれば1人100万程度のお金が必要となるので、そちらへの考慮も必要です。
今の数十万円の追加で、一生の学歴に影響するのであれば、可能な限り受験回数を増やしてやりたいと考えました。
【子供の受験回数で考えたこと】
- 現役合格優先だが、子供の希望する大学も考慮する
- 受験料は子供の望む限り支払うつもりだった
- 2人共浪人すれば、浪人費用200万円程度+来年の受験料が必要
- 現役と浪人どちらが経済的か
- 数十万の追加で、一生の学歴に影響する可能性がある
「どこでもいい」から「第一志望」へ
長女も最初は現役合格できれば「大学はどこでもいい」という感じで出発しましたが、最終的には「第一志望」の関関同立に合格できました。このように推薦入学をうまく使えば、みなさんも大学受験を有利に進めることができます。
まずは現役合格という地固めをして、最終的に第一志望に合格できるよう、がんばってください。みなさんとお子さんの受験が上手く行くことを願っています。
参考データ
国公立に行ける割合は4人に1人
学費の安い国公立は確かに魅力的ですが、数が少ないのが欠点です。実際に国公立に進学できるのは、受験生の4人に1人です。実に75%の受験生が私立大学に進学することになります。そのため、私立大学を抑えておくことは現役合格を目指すうえで、とても重要な戦略となります。
⇒国立大学、公立大学に行ける割合は4人に1人 私立大学が必要な理由