私は理系出身のため科学的根拠が無いものは信じないのが信条である。しかし矛盾はしているが、“運(運命)”的なモノには肯定的である。ということで運についての本を読んでみた。
「運気を磨く」(田坂広志、2019年、光文社新書)
運気を上げるための課題
この本は運気を上げるための方法について書かれた本である。運気を上げるためには「ポジティブ思考で意識、無意識の世界を満たす必要がある」と書かれている。しかし、そのための下準備としてネガティブな思考を(特に無意識の世界から)排除する必要があるとも書かれている。これが運気を上げるための課題となる。
①ネガティブ思考を排除する⇒②ポジティブ思考で心を満たす⇒③運気が上がる、といった具合だ。
〇ネガティブ思考を排除する方法
ネガティブ思考を排除する方法として、
・自然(フリーという意味ではなく、大自然の自然)に身を任せて浄化する
・ネガティブな言葉を使わない
・過去の失敗を成功体験に変えていく
等が挙げられている。最後の方は「自分に起こることすべてをプラスの糧にする」的な悟りを開いた境地に達するような内容である。正直誰もがここまで出来るとは思えないが、私が個人的に共感できたのは「物事に対する”解釈力”をプラスに変えていく」という部分である。
物事の解釈力を変えていくとは
起こったことをどう“解釈するか”で各自の人生は変わる。例えば自分に何か不都合な出来事が起こった時に、
Aさん「はぁ~、俺はなんてついてないんだ。俺の人生こんなもん」
Bさん「このトラブルは自分を成長させてくれる試練だ。とにかくやれるだけやってみよう」
このように同じ出来事を悪いことと解釈するのか、良いことと解釈するのかによって、各自のその後の人生が大きく変わって来るということだ。これは「解釈力」と述べられている。そしてこの解釈力の違いが、運を引き寄せるか否かの分かれ目となる。当然ながら、どちらが運気を引き寄せられるかは、明白であろう。
〇運の強い人間は自分が運が強いと信じている
世の中で成功した人は運が強よかったからなのか?答えはNOである。成功した結果、自分は運が強かったと振り返るのではなく、自分は運が強い人間だと思ってきたからこそ成功した。順序が逆であると書かれている。
<ポイント>
×成功してみて振り返ってみると自分は運が良かった(強かった)
〇自分は運がイイと信じていたからこそ、成功できた
わからなくもない。常にポジティブ思考で前向きであれば、何事にも挑戦する意欲や失敗したら。。。という恐怖もないのでどんどん挑戦していく。その結果、成功する確率も上がるのだと思う。
ポジティブ思考には労力もお金も必要ない
「ポジティブ思考だけで運気が上がったら世話ないわ」という人もいるだろう。なるほど確かにそうである。ポジティブ思考と運気の上昇には、なんの科学的因果関係を示す証拠もない。ただこうも考えられる。
ポジティブ思考をすることに特段のデメリットも無い。なのでやっても損はないだろう。
それで運気が上がればラッキーぐらいの気持ちでやればいいと思っている。体を鍛えるような苦痛や労力も必要ない。お金がかかるわけでもない。準備といえば、気の持ち方ぐらいで今この瞬間からでも出来るのだ。