両者の違い、あなたは答えられるか?
きっかけは梅田の阪急百貨店のショーウィンドウだった。梅田阪急コンコースの巨大なショーウィンドウは私が子供の頃からあり、そこを通る人々を楽しませてくれる。特にクリスマスの演出には力が入っている。そして今年(2024年)のテーマは「不思議の国のアリス」っぽい。(時計を持ったウサギと少女が飾られているため)
〇ごっちゃになる2つの話
先日そこを通った時にショーウィンドウを見ていると、そういえばライオンやブリキの人形?がいないなと思った。同時に「何か他のお話とごっちゃになってるか?」と思いつつもその時は思い出せなかった。
結局家に帰って思い出したが「節子、それアリスやないオズや」ってオチで、ライオンやブリキが出てくるのは「オズの魔法使い」であった。こちらも主人公が少女になっているため、頭の中で混同されていた。
〇何がどう違うのか?
ということで、あなたは「不思議の国のアリス」と「オズの魔法使い」の違いが分かるだろうか。ストーリや登場キャラクターその役割などを誰かに説明できるだろうか?私は物語のタイトルと主人公が少女というぐらいしか知識がなかった。そこで早速この2つのお話を読んでみた。
不思議の国のアリス(ルイス・キャロル、英国、1865年、角川文庫)
オズの魔法使い(ライマン・フランク・ボーム、米国、1900年、角川文庫)
不思議の国のアリス
〇物語のきっかけ
主人公のアリスがウサギを追いかけてウサギの巣穴に飛び込んだら深い穴に落ちて、そこが不思議の国だった。
〇あらすじ
不思議の国での出来事は、一貫性がなく場面と登場人物が目まぐるしく入れ替わるといった感じ。なので、あまり楽しめなかった。場所場所で謎の問答が多い。トランプの女王が誰彼なしに「首をはねよ(死刑)」というのも、子供向け童話でどうなのかといった感じだった。
マメ知識として不思議の国ではアリスは巨人相当なので、大きくなるキノコと小さくなるキノコを食べて体の大きさを器用に調節している。
〇主な登場人物
アリス:主人公の少女。ちょっと小生意気な感じ。
トランプの王様:ほぼ空気
トランプの女王:誰彼なしに死刑宣告しまくる
ウサギ:物語のきっかけを作ったキャラだが、ほとんど絡みなし
チャシャー猫:チョイ役だがなぜか有名。割けた口、ニヤついた顔、透明になれる(トトロの猫バス的な)
〇物語の終わり方
夢オチ、起きたら元の世界に戻っていた。お話は夢の中の出来事だった。
オズの魔法使い
〇物語のきっかけ
アメリカのカンザスに住む(なぜかここだけやたらとリアル設定)主人公のドロシーが家ごと竜巻に空に舞い上げられて、たどり着いたのがオズの国だった。
〇あらすじ
ドロシーの目的は故郷のカンザスに帰ること。その望みをかなえてくれるというオズ(という名前の魔法使い)に会いに行くのが話の大筋。旅の途中でカカシ、ブリキの木こり(ハガレンのアルフォンス的な)、ライオンを仲間に入れて冒険が続く。ドロシーを含めた4人はそれぞれ自分の望みをオズにかなえてもらうことで旅の目的が一致する。
不思議の国のアリスと異なりストーリー的には目的がはっきりとしており、冒険モノとして大人でも非常に楽しめる。実際に私も楽しく読めた。
〇主な登場人物
ドロシー:主人公の少女。カンザスに帰りたい
カカシ:全身藁で出来ているので、脳みそ(知恵)が欲しい
ブリキの木こり:胴体がからっぽなので、心臓(感情、心)が欲しい
ライオン:弱虫なので勇気が欲しい
オズ:偉大な魔法使いと言われているが実は・・・
翼の生えたサル:魔法のアイテムを使用すると強力なサル軍団を3回まで使役できる(アラジンの魔法のランプ的な)
〇物語の終わり方
ドロシーは無事にカンザスに帰ることが出来る。他の3名も各々が欲しかったものをオズから与えられて満足する。ハッピーエンド。
まとめ
どちらか一方を読むのなら、断然「オズの魔法使い」がオススメ。アリスの方は少し斜に構えた、皮肉っぽいやり取りも多い。ちなみに、どちらにも続編があるようだ。映画やミュージカルも多数あるので、話のネタにあらすじや登場人物は知っておいて損は無いと思う。