こんにちは、井上向介です。アラフィフ、サラリーマン。子供2人は社会人となり独立。現在、妻と二人で生活しています。
この記事は、「仕事の負担軽減を目指した取捨選択」について本から学ぶ記事です。
【こんな悩みありませんか?】
- 抱えている仕事量が多すぎてパンクしている
- リーダーとしてプロジェクトのすべてを把握しようと疲弊している
これらの悩みについて、「エッセンシャル思考」という本から学ぶことを解説します。
結論、効率的な作業を行うために適切な「取捨選択」は必要と理解しましょう。
【目指すべきゴール】
⇒適切な仕事量で質の高い成果
- 仕事での「取捨選択」の重要性
- バッファ(余裕)の必要性
「エッセンシャル思考」の紹介
この本は、アメリカのグレッグ・マキューン著、かんき出版から発売されている書籍です。価格は税込みで1,760円となります。
初版は2014年11月でと少し古いですが、今でもいろいろなところで読むべき本として紹介されています。
副題には、「最少の時間で成果を最大にする」とあります。
Amazonでの評価
Amazonのレビューはこの記事を書いている2022年7月現在、「3245のレビューがあり★4.5」と高評価されています。
この本を読んで欲しい人
この本を読んでもらいたい人は、次の2種類のタイプの人です。
【この本を読んで欲しい人】
- 仕事を抱えすぎてパンクする人
- あらゆる業務をマスターしようとして疲弊している人
仕事の量が多すぎてパンク寸前の人、もしくは過去に何度もパンクしている人。
あれもこれも「すべてを学ばなければ」と学習意欲旺盛だが、体力的に限界を迎えている人。
本書はこれらの人の悩み解決に役立つでしょう。
本書の大まかな内容(エッセンシャル思考とは)
ジャンルはビジネス書になります。Amazonでは「ビジネス実用」に分類されています。
効率的な仕事をするために著者が提唱する、「エッセンシャル思考」を実践しましょうという内容です。
エッセンシャル思考とは
この本の要である「エッセンシャル思考」とはどのようなものか。まとめると次のように定義されています。
【エッセンシャル思考とは】
- より少なくより良く
- 無駄なものを極力省く
- 本質を見極め重大なものに力を注ぐ(拡散から集中へ)
正直ボヤっとした定義となりますが、私なりにまとめると「厳格な取捨選択」となります。
【本書の要点】
- エッセンシャル思考とはなにか
- 何が重要か「見極める」
- 必要なもの以外は「切り捨てる」
- 手元に残った「重要なものを実行」
この本から学ぶべき2つの教訓
「この本から学ぶこと」は次の2つあります。
【この本から学ぶべき2つのこと】
- 取捨選択は重要ということ(とくに「断る」勇気)
- バッファ(余裕)の大切さ
読みやすさ
読みやすいです。「エッセンシャル思考の定義⇒選択⇒切り捨て⇒実施」の流れが順序立てて記載されています。
だらだらと間延びすることもありません。ページ数は320ページと標準的です。
最小限読むべき部分
この本は大きく4章に分かれています。
時間がない、全部読むのはめんどうくさい、という人は1~3章まで読めば大丈夫です。
「取捨選択」の重要性
この本で社会人が学ぶべき教訓その①は「取捨選択の重要性」です。
人は万能ではありません。処理できる業務量には上限があります。無理をしてすべてを受けても結局は破綻します。
そうならないための回避策として「適切な取捨選択」を学びましょう。
学ぶべき人①「人の顔色を気にする人」
「他人の顔色が気になる」という人、「嫌われたくない」の一心で無理して仕事を引き受けていませんか?
今すぐにやめましょう。無理して仕事を引き受けても、いつかは処理できる限界を超えてパンクします。
必ず裏目にでる時が来る
結果、相手に迷惑をかけることになり、自分が恐れていた相手からの評価が下がります。
人から嫌われないようにと考え「選んだ策」が結局は裏目に出ます。
断る痛みは一瞬、ミスした印象は一生
本書でも書かれていますが、断った時の痛みはせいぜい数分という一瞬です。相手もすぐに忘れます。
しかし、ミスをして迷惑をかけた場合の印象は長く相手に残ります。
人間は身勝手です。人にモノを頼んでおきながら、こちらがミスすれば「あいつは使えないヤツ」などの烙印を押されます。
それなら「出来ないこと、無理なこと」は最初から断る方がお互い無傷で済みます。
どのようにして断れば「角が立たず断れるか」は本書で解説されています。
学ぶべき人②「なんでもこなそうとする人」
こちらは「仕事が出来る人、自分に自信がある人」が陥るパターンです。
例えば自分が大きなプロジェクトのリーダーだったとします。
業務内容はもちろん、関連法令や部下が参加したすべての会議の内容、関係者の人間関係、これらすべてを理解しようとしていませんか?
いくら時間があっても足りない
仕事が出来る人は「自分がやらなければ」と頑張ってしまいます。とくに責任感の強い人が陥りがちです。
人間の処理能力のキャパシティには上限があります。なにからなにまですべてを理解することは不可能です。
「最優先事項」が複数ないか?
本書では「多数の重要なモノ」のなかから「本当に重要なもの」を選択することが必要と述べられています。
揶揄する内容として、「最」重要課題を書きだしたら10個あり、もはや「最(もっとも)=1番」の意味をなさないと書かれています。
見極めて捨てる
いずれの場合も、解決策としては「選ぶ、捨てる、大事なものを残す」となっています。
適切な取捨選択を行い、自分にとって本当に重要なもののみを実行します。その他の物は、他人に任せることにしましょう。
バッファ(余裕)の必要性
この本で社会人が学ぶべき教訓その②は「バッファの必要性」です。
バッファとは「緩衝帯、余裕、遊び」といったものです。
ひと言でいうと、「何事もカツカツで計画を立てるな」となります。
すべて青信号を想定するな
出先での待ち合わせには1本早い電車に乗って移動し、いつも待ち合わせ場所に1番に着く私には非常に共感を得る内容でした。
非エッセンシャル思考の人と、エッセンシャル思考の人ではバッファ(余裕)に関する考え方で下記の違いが生じます。
【非エッセンシャル思考の人】
- 最善のケースしか想定しない
- 土壇場になってから頑張り始める
【エッセンシャル思考】の人
- 最悪のケースを想定する
- 十分な期間をもうけて事前準備を行う
想定外への対応が可能になる
バッファを取ると周囲の想定外のトラブルにも対応できます。トラブルはいつも自分要因とは限りません。
- 出がけにちょうど重要な取引先から電話があった
- 上司の勘違いで打合わせ日が早まった
不足の事態はいくらでも発生します。
もちろん、あなたには責任はないかもしれませんが、このような不測の事態に対応できれば、周囲からの評価は大きく上がります。
実行への課題
本書の内容を実行することは簡単ですが、周りの反応を考えると少しオブラートに包んだ方がよいと考えます。
孤立する可能性
取捨選択を強調する本書ですが、行き過ぎた切り捨ては周りからの反感を買います。
とくに貸し借り文化や波風立てない主義の日本の会社において、あれもこれも断って「自分ファースト」すぎると周囲から孤立する危険性があります。
バッファが役に立つ
ときには相手の要望も受け入れざるを得ないときもあります。
こういう時に自分の仕事にバッファ(余裕)を持っていれば対応することができます。
平社員での実践方法
本書の内容を実行しやすいのは、「選択の権限」を持っている経営者や幹部、プロジェクトのリーダーとなります。
しかし、自分が平社員であっても「自分の業務の効率化」のために取捨選択を行うことで本書の内容を実践できます。
- 不要な仕事は理由を付けて断る(今、手がいっぱいなどでもOK)
- 仕事には常にバッファ(余裕)を持たせておく
この2つを実践するだけでも、あなたの仕事効率は大きく改善されます。
それは残業のない自由な時間の獲得にもつながります。
贅沢は言ってられない
本書では選抜の基準をとことん厳しくするべき。として人選の事例が述べています。そこでは90点以下は切り捨てるとあります。
ですが、少子化の日本でそこまで贅沢に「選べる立場」にあるのは大手企業だけでしょう。
仕事に関してもそうですが「切り捨てられるほど選択肢がある」とは限りません。本書の要となる部分ですが、さじ加減が重要となります。