この本を読もうと思った理由
私がこの本を読もうと思った理由は、タイトルに惹かれたからである。こういう生物の進化系の本にはとても興味があるという、個人の嗜好によるものである。
はずれ者が進化を作る(稲垣 栄洋、2020年6月、ちくまプリマー新書)
完全にタイトル詐欺な本
上記の様に期待して読んだのだが、久々に大ハズレの本を引いた。私の期待値が高すぎたとか以前の問題であった。内容がスカスカ。中身の濃さもそうだが、文章も短く行間や上下のスペースも大きくとっておりガバガバ。単発文で改行も多い。要するに少ない原稿を薄めて引き延ばして、ページ数を稼いでいるということである。こういうのは本当に、やめてもらいたい。
小中学生向けの道徳本
中身についても進化という小難しい内容を期待していたのだが、小中学生向けか?と思うような当たり障りのない内容である。致命傷なのは、まっっったく進化を取り扱った本ではないということである。タイトル詐欺もいいところだ。「区別はないんだよ、差別はないんだよ、そんなこと気にしなくて大丈夫」という道徳的な内容が、くどくど、くどくど繰り返される。
犬と猫もどこから違うかの境界線など引けません、区別はいけません。花の色は種類により違います。それが個性です。個性は大事です。永遠とこんな調子で薄っすい内容ばかり。これで新書は、なかなかに酷い。「はずれものじゃなくて、はずれ本だろ」とツッコミたい。
ワースト1の本確定
残念ながら私が今年読んだ本で、ぶっちぎりワーストワン。ついでに、最後まで読まずに途中で終わらせた本も、これが今年初めて。本棚に残す価値もない。無理やり使いどころを考えると、親が自身を持てない子供に、「ほらね、この本にも書いてある通り、無理しなくていいんだよ。」と諭すようなときに使うと、多少は役に立つかも。